2010年3月25日木曜日

2010年春 彼岸商戦から見えてきたもの

生産者、小売店のみなさま、花産業のみなさま、彼岸商戦、お疲れさまでした。









暖地の花生産者にとって、春の彼岸の市況は経営的、精神的に大きな影響を及ぼします。


高い重油、灯油を焚いてハウスを暖房し、ひたすら彼岸に花を咲かせることを目標に、手入れをしてきたのですから。1月、2月は売り上げよりも暖房経費のほうが多くかかっています。それだけに、彼岸の市況が低いと意気消沈で、将来が一挙に不安になってしまいます。


幸い、今年の彼岸は花屋さんのがんばりで、そこそこ花が売れたようです。産地もなんとか息をつけたといった状況でしょうか。


この彼岸商戦から、今の花産業の問題点が見えてきます。


①春の彼岸に花を咲かせる作型は、もっとも生産コスト、暖房経費がかかります。そのため、生産者は経営全体をみすえて、コストのかかる彼岸を減らし、コストがかからない春などに生産の重点をシフトする傾向があります。これは燃油高騰の対策として、行政が指導している点でもあります。

②その結果、彼岸に必要な量が供給できなくなります。国内で生産と消費が完結していた時代なら、「供給不足→価格高騰→翌年は生産過剰→暴落→」となっていました。「高値」が忘れられない、ばくち大好きの生産者にとっては面白い時代でした。

③今は安定供給が最優先です。春の彼岸、卒業式などで、決まった量の花が必要です。国内生産者が供給できなければ、供給先を世界に求めるのは当然です。国産が減った分だけ輸入が増える、「悪循環」におちいります。輸入が増えたから国産が減ったのではなく、国産が減ったから輸入が増えたのです。

④そんなことは生産者は百も承知です。作っても市況が安く、儲からないから作らない、作らないから輸入が増える、輸入が増えると単価が下がる・・・。卵が先か鶏が先かの議論になってしまいます。

⑤生産者には、高品質の花を作るDNA、匠のわざのDNAしかありません。それだからこそ、前回紹介したように、ニューヨークっ子を驚かせる、世界に通用する日本の高品質な花を作ることができるのです。大工さんにも旋盤工にも日本人にこのDNAがあるから、小国日本が世界で生きていけるのです。

⑥今必要なことは、従来からの高品質な秀2Lをめざす経営と、高品質なMクラスの花をめざす経営の分離、すみ分けです。ホームユース、家庭に飾る花はすでに定着しています。消費者がそれらを手に入れるのはスーパーマーケットや量販店ということも定着しています。「カジュアルフラワー」は「安かろう悪かろう」のイメージが強く、各方面からさんざん非難され、言葉としても、実際の花としても定着することができませんでした。その後、ユニクロの登場で、カジュアルのイメージが一挙に向上しました。

⑦カジュアルフラワーという言葉の復権と、ユニクロのように高品質なカジュアルフラワーを生産する経営、生産者、産地の登場がのぞまれます。すなわち、秀2Lをめざしたけれど、手入れ、ハウス環境がうまくいかずにMになったMではなく、Mをめざした高品質なMの生産です。これが今求められるカジュアルな花です。そのためには、品目ごとにカジュアルな花の高品質とはどんな品質かの定義、目標が必要です。その品質目標(当然、坪当たりの収量目標も)に向けた栽培技術を組み立てることが緊急の課題です。

2010年2月19日金曜日

撃ってでる~日本の花がNYで高評価-NaniwaFEX in NewYork~


先にお知らせしましたように、1月25日、ニューヨークで「高品質な日本の花を海外へ」をキャッチフレーズに、日本の花の展示会・商談会NaniwaFEX in NewYorkが開催されました。

大阪の花いちばが、わざわざニューヨークへ出かけていったのは、日本の花のすばらしさを海外へ伝え、花の需要を拡大するためです。

その様子は、なにわ花市場HPの画像でご覧ください。

大西社長以下の面々のいでたちは、背に「花」の漢字一文字、ピンクの法被、黒の鉢巻、コテコテの大阪です。コテコテですが仕事はがっちり、商売上手の大西常裕部長、井内課長、竹村課長、中村課長です。

展示会には国内50産地から237アイテムの花を出品いただきました。その自慢の花を贅沢なことに、ニューヨークで活躍するデザイナーhanna NOIRの竹中健次さんに演出していただきました。

当日、ニューヨークは土砂降りの雨。
アメリカの花屋さんに来場いただけるのか心配でした。うれしいことに、12時の開場を待ちかねて、60社121名のバイヤーの方々が来ていただきました。はるばるフィラデルフィアからバスを乗り継ぎ、3時間かけて来た花屋さんもおられました。
日本の花いちばと花の特徴についてのプレゼンテーションも熱心に聴いていただけました。問屋、仲卸だけで市場がないアメリカの花屋さんにとって、日本の花いちばの形態は興味深かったようです。

以上、見てきたようなことを書きましたが、すべて竹村課長からの受け売りです。

展示会の効果は歴然でした。

注文はそれまでの4倍に増え、展示会後の3回の輸出だけで前年の半数に近い量になりました。日本の高品質な花は、アメリカでも十分に通用したのです。

どんなところが評価されたのでしょうか。

①もともと人気が高かったグロリオサ、スイートピー、ラナンキュラス、ダリア、スカビオサ、ブルースターは、品質の良さ、花の色の豊富さ、ボリュームで一層、評価を高めました。

②枝物に関しては完成度の高さと“ふかし技術”に注目が集まりました。

③シンビジウムの切り花はボリュームと花の色で評価されました。

④嬉しいことに、バラ、カーネーションでも南米からの輸入品にないバラ、カーネーションらしくない特殊な品種や、日本のオリジナル品種はアメリカで十分に通用することがわかりました。

国内消費が低迷している現在、高品質な日本の花は、流通のコストダウンを進めれば、高単価で世界に輸出することができます。

そのためには市場だけでは力不足です。産地のご協力が必要です。

長時間の輸送にそなえた切り前、ボトリチスの予防が必要です。今は、産地から届いた花を、いちばで専用のケースに詰め直していますが、輸出量が安定すれば、産地で箱詰めをしていただくようになるかもしれません。

日本全国ではいろいろな花が作られています。自慢の花をニューヨークに送ってみたいという生産者、産地の皆様は、なにわ花いちばへお問い合わせ下さい。

ただし、アメリカでは野菜果樹に関連する桜・梅・桃といったものは原則として輸入は禁止です。また、菊に関しては輸出に関する条件が厳しいとのことです。























2010年2月3日水曜日

和歌山スプレーマム研究会青年部の具体的活動

                    緊張した様子の青年部のみなさん                  会が終わったあとも話し合いは続きました・・



花の消費拡大は、産地-市場-花店の連携による具体的な活動を・・と、以前お話をしました。また、花の消費者は花屋さんであることも説明しました。



不思議なことですが、花産地では消費者である花屋さんの要望や意見をお聞きした経験がほとんどないのです。それは全国に26,000軒といわれている花屋さんの誰と話をしたらいいかがわからないのです。これまでも産地の研修会などで花屋さんを講師として招いたことはありますが、消費者である花屋さん全体の流れがつかめきれないもどかしさを感じていたのではないでしょうか。



その産地に必要な花屋さんと、生産者を結びつける役割は市場です。市場が得意とする分野です。



生産者と花屋さんの交流会として、1月27日、和歌山県スプレーマム研究会青年部13名と農協担当者が、なにわ花いちばに来場されされました。



夜8時、緊張した面持ちの青年部と花屋さんの話し合いが始まりました。



市場の担当者は、和歌山スプレーマムの方々に必要な花屋さんに出席をお願いしていました。



フラワーデザインスクールの担当者、専門店、webでのみ仕入れる専門店、多くの店を展開するチェーン店、葬儀関係の量販店、スーパーへ納入の量販店、葬儀会社の担当者、場内仲卸、そして産地のライバルともいえる輸入業者・・、さまざまな業態の花店です。こんなことは市場だからできるワザです。



スプレーギクの輸入割合は37%、メジャーな花ではもっとも輸入が多い切り花です。



案の定、輸入のほうがボリュームがあるので、輸入しか使わないとの量販店の発言がありました。天のつぼみを取っているので、花がドーナツ状になり、葬儀用に使いにくいと、生産者にとっては、ずっこけるような意見もありました。輸入業者の品質への自信・・・、国内生産者に欠けている部分でしょうか。


産地では毎年苦労して新しい品種を導入していますが、花店にとってはどこが新しいかわからないなど、生産者がへこむような意見をもかずかずにいただきました。


花店は業態が多く、意見もさまざまであることも痛感されたようです。



和歌山のスプレーマムはどこをターゲットにどんな品種をどんな品質で、生産、出荷していくのか、青年部のみなさんにとって言い足りない、聞き足りなかったようです。夜が更けるのを忘れて話し合いが続きました。

今度は、自分たちが熱き想いをこめて作ったスプレーマムを花屋さん、ぜひ使ってくださいと主張しましょう。日本人の感性にあったスプレーマムの生産、出荷をお待ちしています。


1回ではとてもむりですので、ぜひ続きの会を。

それにしても花産業、早朝のせりから深夜の勉強会まで、よく働く業界ですね。お疲れさまでした。

2010年1月23日土曜日

撃ってでる~2010年1月25日 NaniwaFEX in NewYork~







切り花の輸入が年々増えています。


2008年には国内消費量約60億本のうち19%が輸入です。もともと輸入に依存していたラン類の87%、切り葉・切り枝の77%は別格としても、スプレーギクは37%、カーネーションは36%、バラは18%が輸入です(宇田調査)。


先進国の花生産は、季候が良く、人件費が安い南米、アフリカ、アジアの国々からの輸入に敗退し、日本だけがなんとか踏みとどまっている状況です。


その日本の生産者も苦戦を強いられ、厳しい経営状況です。




しかし、輸入増加を嘆いていても仕方がありません。
日本の切り花品質は世界一です。


世界一の日本の切り花が世界で勝負する、そんな想いでなにわ花いちばでは、産地の皆様とともにアメリカ ニューヨークへ輸出を試みてきました。


その結果、日本の切り花はアメリカで十分に通用することがわかりました。




それでついに2010年1月25日、ニューヨークでNaniwaFEXです。


日本の花の展示、商談会です。


産地からの自慢の切り花とともに、ベテランの営業担当者が大阪のど根性で展示会にのぞみます。


どんな営業活動が展開されるのでしょうか。


乞うご期待!


結果は後日報告します。


















2010年1月4日月曜日

2010年花産業のキーワードは「環境」

明けましておめでとうございます。

新しい年が始まりました。
2010年、いよいよ花産業環境の年の幕開けです。

1.政府のお約束

1999年には「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」が施行されました。
農地の生産力の維持増進と良好な営農環境を確保するために
①土づくり
②化学肥料の低減
③化学合成農薬の低減
以上3つに取り組む計画を作成し、都道府県知事が認定した生産者が「エコファーマー」です。

さらに、2006年には「有機農業の推進に関する法律」が施行され、化学的に合成された肥料、農薬、遺伝子組み換え技術を使用しない有機農業の推進がうたわれています。

ここまでは化学肥料や農薬を減らして、「環境にやさしい農業」をすすめましょうという農業内での活動でした。それに新たに、「地球温暖化防止」が加わりました。

日本は世界にむかって、「2020年に温室効果ガス(炭酸ガス)を1990年の25%削減する」と公約したのです。炭酸ガス削減は、生産者だけでなく、市場、花店、消費者すべてが取り組むグローバルな活動です。

2.消費者は環境にやさいい花を求めている

平成21年JFTD白書によると、JFTDのお客さんのなんと99%は「環境にやさしい商品がほしい」と要望されるそうです。ちなみに「日持ちする商品が欲しい」は40%、「鮮度が良い花が欲しい」は27%、「季節感がある花が欲しい」は22%だそうです。くやしいですが「国産品が欲しい」と要望されるお客さんはたった3%だそうです。

3.「理念」から「実利」へ

世の中はきれいごとだけではすすみません。「環境にやさしい」という理念には誰もが大賛成です。しかし、実利が伴わないと拡大、普及はしません。それが、JFTDのアンケートにあるように、いよいよ環境にやさしい花が注目されてきたようです。消費者が欲しているのに、商品がないでは生産者のつとめを果たせません。環境にやさしい農業は儲かる農業になるのです。

4.環境認証は目的ではなく手段

エコファーマーやMPSなどの認証取得は目標ではなく、手段です。目標は化学肥料、農薬を減らし、炭酸ガス排出が少ないエコな生産をすることです。まず栽培技術、栽培環境の改善に取り組みましょう。

5.市場、花店も力を合わせて

学肥料、農薬削減は生産技術の取り組みですが、炭酸ガス削減は市場、花店、みんなの取り組みです。例えば、必要以上のボリュームを求めていませんか。実際に必要な長さの切り花であれば生産性が高まり、出荷ケースが小さくなり、トラックの積載効率が高くなり、大幅に炭酸ガス排出を減らすことができます。さらに花店での生ゴミが減ります。

6.生産履歴の記帳を

生産者はどんな方法で生産した花かを、消費者に示すことが環境に優しい花づくりの第一歩です。そのためには栽培記録です。産地で共通の記録ノートをつくりましょう。

2010年、花産業のキーワードは「環境」です。

2009年12月9日水曜日

花いちばはこんなところです③。お詫びと訂正

 2008年10月、「花いちばはこんなところです」で、このブログははじまりました。
花いちばをこんなふうに紹介しました。

1.うるさい・・・電話のベルが鳴りひびくなか、パソコンの画面を見ながら、キーボードをたたきながら、電話で怒鳴りあっています・・・

2.いそがしい

3.いつでも誰かが働いている

4.出張が多い

なにわ花いちばで仕事をするようになってから、ほかの市場の事務所に興味をもつようになりました。

これまでは市場を訪れても、せりを見て帰るだけでしたが、今では事務所をのぞかせていただくようになりました。

それで大発見をしました。

その結果を「ぅみっ子」ふうにかきますぅ。。。

おっどろきましたぁ。。。

静かなんですぅ。。。

ほかのいちばの事務所わぁ。。。

みんなぁ~パソコンの画面をみつめてぇ だまってぇ お仕事をしているんですぅ。。。

うっるさいのわぁ なにわ花いちばだけだったんですねぇ~

・・・という訳で、ここに謹んでお詫びと訂正をさせていただきます。

ほかの市場の皆様に、大変なご迷惑をおかけしました。濡れ衣で、誤解を与えてしましました。

次のように訂正をさせていただきます。

「なにわ花いちばは、ほかの市場よりうるさい」


さて、年末恒例の役物市も終わりました。
生産者のみなさま、花店のみなさま、年末商戦本番です。

健康に留意され、ご活躍ください。

きたるべき2010年がよい年になりますように。

2009年12月1日火曜日

再び問う、「花き(卉)」の「き(卉)」は必要か?

先日、私の地元で花卉組合の総会がありました。


来賓のトップバッターは市長さん。ご祝辞、開口一番、「はなき組合総会おめでとうございます」。


この市長さんは現在2期目、元は県の幹部で、農業にくわしい方です。


花の産地の市長さんですら「花き」が「はなき」です。


こんな場合、花卉組合員はどんな態度をとればよいのでしょうか。


その一 「政治家ってみんな麻生さんみたいね」と、あきらめる。


その二 祝辞原稿に、ふりがなをつけなかった役場の担当者をせめる。


その三 「花き」をみんなに知ってもらうため、宣伝活動に力を入れる。


どれももっともですが、日本で「花き」生産がはじまって100年。100年かけても「花き」が認知してもらえないのですから、いまさら「花き」を普及しようとしても無理でしょう。


その四 誰もが知らない「花き」をやめ、単に「」にする、というのはいかがでしょうか。


まず農林水産省が率先して「花き」産業振興室という名称を「産業振興室に変えて下さい。農水省が変わると、都道府県も「花き」係は「係に、果樹「花き」課は果樹「」課に変わるでしょう。


生産者の団体、(社)日本「花き」生産協会も(社)日本「」生産協会に変えなければなりませんね。


(社)全国「」仲卸協会と、なにわ「」いちばは先見の明?