2009年9月9日水曜日

花の消費拡大は選挙運動②イメージ選挙



前回は、花の消費拡大は「どぶ板選挙」で、と述べました。


花業界は、花を買ったことがない6割の世帯に対してさまざまな働きかけをしてきましたが、まったく成果があがっていません。花を買う世帯は20年間、4割のままです。そこで、6割の無党派層はあきらめて、4割の固い支持者をターゲットに具体的な営業活動、どぶ板選挙をしましょうというのが主旨でした。


では、どぶ板選挙で花産業の将来は安泰かというとそうではありません。4割の支持者は高齢化が進んでいます。仏壇のない家庭も増えています。このままではジリ貧になることは間違いがありません。


6割の無党派層に切り込んで、花に対する支持を拡大することを、どぶ板選挙と並行して取り組まなければなりません。


その基盤が整いつつあります。花関連団体が資金を出し合い消費宣伝をする取り組み、いわゆる1/1000構想です。「総論賛成各論反対」で、夢の話でしかなかった構想が現実になりました。


さて、花産業のみんなが出し合った基金でどんな活動をすれば、消費が伸びるのでしょうか。


これまで花産業が消費拡大に何もしなかったわけではありません。花屋さんの花キューピットや生産者の日本切りバラ協会は積極的なイメージ選挙活動を展開してきました。


このたびの総選挙では民主党が政権交代の風を吹かせました。花消費拡大にはどうすれば風を吹かせられるでしょうか。
これまでは、さまざまな縦割り組織が、それぞれで消費拡大活動をしていたため、思うような風を吹かせられませんでした。このたびは花関連団体みんなが参加する横割りの組織が資金を出し合い、消費宣伝をします。
こんどこそ風を吹かせられるでしょう。



2009年8月20日木曜日

花の消費拡大は選挙運動




花が売れない。

花をもっと買っていただくには。

花の消費拡大は、まさに選挙運動です。

消費拡大も選挙にも2つの方法があります(図参照)。

「イメージ選挙」と「どぶ板選挙」です。

統計では、切り花を買ったことがある世帯は4割(鉢物は3割)、買ったことがない世帯が6割(鉢物は7割)です。

花を買ったことがない6割の世帯に、花を買っていただければ一挙に消費が増えます。

この6割の世帯は選挙でいうところの無党派層です。

無党派層に投票していただくためには、イメージ選挙です。前回の郵政解散のように「風」を吹かせれば大きな票を獲得することができます。

しかし、風を吹かせることができなければ、「のれんに腕おし、ぬかに釘」になります。

「イベントで花束を配る」、「ポスターを作る」などはイメージ選挙です。


これまで、花産業はさんざんイメージ選挙で戦ってきました。

その結果はどうでしょうか。どれだけ票を獲得したでしょうか。

「皆無」です。「惨敗」です。

20年、イメージ選挙を戦っても花を買ったことがない世帯は、あいかわらず6割のままです。

そこで、6割の無党派層は手強いと総括できます。


それならば、6割の無党派層はとりあえずは相手にせず、すでに花を買っていただいている4割のお客さまにもっと花を買っていただく活動をしたほうが票は増えるのではないでしょうか。

この4割の方々は、昔からの花の固い支持者です。

さて、この固い支持者に確実に投票所に足を運んで、票を入れていただくためには何が必要でしょうか。1軒1軒路地裏をまわり、一人一人手を握り、名刺をわたす、名前、顔を覚えていただく・・・、どぶ板選挙です。


花業界は、支持者をつなぎ止めておく「どぶ板選挙」をわすれ、雲をつかむような、かっこいいだけの「イメージ選挙」にかまけていませんでしたか。


では、生産者にとっての「どぶ板選挙」とは何でしょうか。

4割の支持者に花を売っている花屋さんの要望を聞くことです。

いつ、どんな品質の、どんな花が欲しいかを聞き、それに基づいた生産をすることです。

また、自分たちに何ができるか、どんな商品を持っているかをお知らせすることです。

その前に、自分たちの支持者は誰か、あるいは自分たちは誰のために働きたいか(花を売りたいか)を決めることです。

国民全体に貢献する・・・、かっこいいけど不可能です。そのために多くの政党(産地)があるのです。


儲からなくなった花産業、抽象的で、ぼんやりしたイメージで選挙をする余裕などありません。すぐに儲けに結びつく具体的な選挙(営業)活動でなければなりません。

花屋さんと産地の仲立ちするのが市場の役割です。
生産者-市場-花屋さん連携による票の掘り起こしが急務です。


「イメージ選挙」は無駄か、そうではありません。

「どぶ板選挙」では当面はしのげても、いずれはじり貧です。


「イメージ選挙」については次回説明します。


2009年8月2日日曜日

(社)日本花き生産協会カーネーション部会星井栄仁会長の受賞と生産協の役割

授賞式での星井ご夫妻、マイクは発起人の岡内正明前カーネーション部会長





(社)日本花き生産協会カーネーション部会星井栄仁会長が黄綬褒章を受章されました。カーネーション生産100周年の年に、全国のカーネーション生産者の代表である星井会長が受賞されたことは、日本の花産業にとって、うれしい出来事です。これで、国産カーネーションの反転攻勢が勢いづきます。



喜びの一方で、(社)日本花き生産協会は花生産者の中央組織としての存在意義が問われています。協会は、都道府県の花き協会単位で加盟する、生産者にとって唯一の全国組織です。この協会から退会する県が出始め、すでに6県に及んでいます。

この状況を、岐阜大学の福井教授は、ご自身のホームページ(http://www1.gifu-u.ac.jp/~fukui/index.htm)で、「日本花き生産協会の危機」としてまとめられています。



福井教授は、協会が求心力を失った原因として・・・

①時代の変化に対応せず、右肩上がりの時代のやり方をズルズルと継続してきた。

②協会の役割である全国組織のメリットを的確に花き生産者に提供することを怠ってきたこと。

と述べられています。



さて、(社)日本花き生産協会7部会のひとつであるカーネーション部会が、全国の生産者に提供する具体的な役割は何でしょうか。


そのひとつは苗価格の問題です。カーネーション部会では、高い苗代とロイヤリティの支払いが経営を苦しめています。この問題を個人や産地で種苗会社と話し合っても取り合ってもらえません。

そこでカーネーション部会は、ヨーロッパの種苗業者から苗を直接、共同購入することを決断しました。1995年10月に、当時の大貫栄一会長を先頭に、役員さんがオランダ、ドイツの種苗会社6社を訪問し、苗の直接購入を交渉しました。交渉ごとに縁のない生産者が、欧州の海千山千の業者相手に交渉をつづけ、なんとかM.レック社と契約することができました。この交渉をサポートしたのが、カーネーション苗には縁がなかった草野産業でした。その後、M.レック社はバルブレ社に買収され、バルブレは日本のキリンに買収され・・・。弱肉強食の企業論理に翻弄はされましたが、生産者に安い苗を供給するという大きな成果をあげることができました。



ロイヤリティの問題は手つかずで残されています。カーネーションのロイヤリティは何が問題か?



①新品種育成者の権利保護は当然である。苗を買うときに、苗代とは別に、育成者にはロイヤリティ(現在は苗1株に8~10円)を払うことには両者、納得している(ロイヤリティの価格は別にして)。

②新品種を育成した権利が認められる前提は、種苗法に基づく「品種登録」の申請、および登録である。

③品種登録して権利が認められる期間は25年であるが、品種登録が失効した後もロイヤリティの支払いが求められている。

④品種登録をしていない品種でもロイヤリティの支払いが求められている。


③④は種苗法と種苗法の「品種改良により農業の発展をはかる」という理念に違反している。

この問題は、個々の生産者、産地では対応できない。まさしく、わが国のカーネーション生産者の中央組織である(社)日本花き生産協会カーネーション部会が、行政の援助を得て、種苗会社と話し合い、解決しなければならないテーマである。そのためには、全国のカーネーション生産者の(社)日本花き生産協会への結集が大前提です。


全国の花生産者のみなさま、汗をかかなければ果実を得ることはできません。



2009年7月1日水曜日

日本列島「ボト」注意報

梅雨真っ盛りは「ボト」の季節です。

「ボト」は、かびの一種ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)を縮めた業界用語です。

病原菌がかびである「ボトリチス・シネレア」菌、病気の名前は「灰色かび病」です。

褐色に変色した花びらや葉から、症状が進むと灰色のかびが生えてきます。

それで灰色かび病と名付けられました。

                   生け花中に発生したバラのボト


                 生け花中に花首に発生したトルコギキョウのボト

                  入荷時にボトが発生していたカーネーション
                     葉にボトが発生したデルフィニウム


このボトリチス・シネレア菌による灰色かび病の特徴は次のとおりです。

1.あらゆる作物のやっかいな病気で、どの花も感染します。

2.食べ物が腐るときに生えてくるかびと同じ仲間です。

3.多湿、特に梅雨や秋の長雨時期の高温多湿が大好きです。

4.夏の高温や乾燥環境では発生しません。

5.他の病気はハウス内や圃場で発生するだけで、生産者が農薬散布など適正な対策をとれば防げますが、ボトリチスは水あげする冷蔵庫内、輸送中、生け花中にも発生します。

出荷時にはきれいでも、花店、消費者の手に渡ってからかびが生えてくることもあります。



次のような対策をしてください。

1.ハウス内の除湿、乾燥。家庭でのエアコンが湿度を下げるように、ヒートポンプによる冷房は湿度を下げ、ボトの発生を抑えます。

2.換気、温風機による送風。

3.もちろんこまめな殺菌剤の散布。

4.5℃程度の冷蔵庫内でもボトは繁殖します。庫内のかべ、吹き出し口などをアルコールで消毒。

5.輸送中にケース内の湿度が高くならないように穴を追加する。この時期だけスリーブを使わない。

6.花に水滴が着いた状態で箱詰めしない。

7.花屋さんのキーパー、冷蔵庫にもボトリチス菌が蔓延しています。

8.店先ではおけに花を詰め込みすぎないように。

2009年6月29日月曜日

「近藤でございます」の近藤さんとニューヨークでご活躍のデザイナー立川亜矢子さん


左:「近藤でございます」の近藤和博さん、中央:立川亜矢子さん、右:しまらない赤い顔の宇田

横浜植木(株)第16回花の展示・検討会(2009.6.19) 

 このブログを開設するときに、目標としたのは京都生花の名物ブログ「近藤でございます」でした。その近藤和博さんにようやくお会いすることができました。横浜植木(株)の第16回花の展示・検討会(2009年6月19日)においてです。私のつたない講演と大田花き 藤田章治さんとのパネルディスカッションの後のお楽しみ 懇親会の席で楽しくビールを酌み交わし、意気投合しました。そのときお隣の席におられたのがフラワーデザイナーの立川亜矢子さんでした。

 近藤さんは京都生花の営業部長で、業界では有名な方です。洒脱な文章と、的確な写真は多くのファンを魅了しています。翌日の6月20日にはこのときの様子が京都生花HPに公開されていました。京都生花は仕事が速い! 当ブログとあわせてご覧いただくと、横浜植木自慢の豪華絢爛オリエンタルユリ、LAユリの展示・検討会がよくわかります。

 立川亜矢子さんは大阪府交野市にお住まいで、ニューヨークでご活躍の国際フラワーデザイナーです。うれしいことに、立川さんが川お使いの花は、なにわ花いちばでお買いあげいただいています。

立川さんの業績のひとつが花卉園芸新聞2009年6月15日号でカラー写真入りで紹介されています。「トップデザイナー競演 NYで豪華FD展 立川亜矢子氏が力作」日本産ユリを主役の作品です。


下の画像は立川さんの著書「世界が私の花舞台」カナリア書房です。掲載の写真もご自分で撮影されたそうです。本の帯にあるように、まさしく「彼女のパワフルな生き方に続け!」です。




  出会いの場を設定していただいた横浜植木(株)の渡邊社長さんに感謝いたします。

 さて、私の講演の内容を簡単に紹介すると下記の通りです。 いつもどおり、賛否うずまくおさわがせの内容です。

 「お客さまが誰かを知ろう」

1.今、儲けるために
 花産業は縮小し続けている。未来を語ることが崇高で、目先の儲けを追求することは卑しいことではない。今が儲からないと花産業に明日はない。今を儲け、明日につなげるためには何をすべきか。
(1)花産業の常識を疑おう
①業務用需要が減ってホームユースが本当に伸びているのか?
ホームユースは伸びてはいない。「高嶺の花」、「憧れの花」である花の価値を失っては消費は伸びない
②何でもオランダが手本か?
地域に土着した日本的家族経営が日本の進むべき道である
③生産者は生産物の値段を自分で決められないのか?
オンリーワン、あるいは圧倒的な販売力を誇る花、信頼されている産地、生産者ならば希望価格で売ることができる(はず)
(2)花の消費者は誰?
①花の消費者は花屋さん
花の消費者は繁華街を歩いている人ではなく、花屋さん
②花屋さんに儲けていただかねば
生産者が儲かるためには花屋さんに儲けていただき、モノの流れをよくしなければならない
③花屋さんが欲しい花を欲しい時期に
花屋さんがなにをのぞんでいるかを知ろう
④花屋さんが買いやすいように売りやすいように
花はイメージ。花屋さんがイメージを売りやすいような品質、品種、付加価値、情報を提供しよう。

花屋さんはお客さま(エンドユーザー)に正しい品種名、産地名、取扱方法などの情報を説明しよう。
⑤花屋さんに対する具体的な営業活動
種苗会社-生産者-市場-花店の連携による具体的な企画商品としての花を売っていこう
2.ユリはどう儲けるのか
(1)景気さえ回復すれば・・・
今まではそれでやってこれたが・・・
(2)花は見られて飽きられる
個人出荷の生産者は率先して目新しさ、珍しさを提供しよう
(3)ユリの育種力ゼロ
育種なくして活力なし。育種は楽しみ、宝くじ、生産者育種にチャレンジしよう。
(4)品種の囲い込み
クセがある新品種を特定の個人、産地および市場に限定し、希少品としての価値を保持しよう
(5)生産者のDNAには高品質高単価しかない
オリエンタルユリは「憧れ」「夢」を売る花である。安売りは似合わない。
(6)花屋さんにはいろんなタイプがある
生産者としては「憧れ」「夢」を提供することが本来の役目であるが、ユリをホームユースとして売りたい花屋さんもある
(7)ホームユース生産には最高級の経営・栽培技術がいる
ホームユース生産には経営力と強い意志がいる
(8)営業なくしてホームユースなし
ユリのホームユースでの品質目標、10アール当たり販売量、希望単価、そのための栽培技術を明確に
3.花作りは農業である
花作りは農業で、地域の環境、気候に左右される。
地域環境にあった日本的家族経営をめざそう。
農業は金儲けだけの産業でもない。
花作りは地方、農村を護る最後の砦でもある。

2009年6月15日月曜日

花屋さんのこだわり赤バラ品種~RR-1結果~

先にお知らせしたように「赤バラ品種グランプリ、RR-1」が6月8日(月)に開催されました。生産者のみなさま方から自慢の赤バラ47品種を出品していただきました。花屋さんにはせり前、せり後にお気に入り品種に投票していただきました。その様子および投票結果はなにわ花いちばHPでご覧いただけます。

212名の花屋さん(男性166名、女性46名)が選んだお気に入りの赤バラは、1位サムライ2008、2位レッドスター、3位レッドフランスでした。このグランプリからいろんなことがわかります。

1.グランプリの順位は市場への入荷量とはまったく関係がない。スタンダード赤バラでは年間入荷量の46%(6月だけでは60%)がローテローゼですが、グランプリでは10位でした。

2.現在の入荷量は少ないが花屋さんから大きな支持をいただいた品種があります。1位のサムライ2008、2位のレッドフランス、4位のロッソクラシコ、5位のレッドイントゥ-ション、6位のティントです。

3.上位に入賞はしませんでしたが、一人だけの花屋さんが最高点をつけた品種が10品種もありました。つまり、特定の花屋さんから熱烈に支持された品種、その花屋さんこだわりの赤バラです。たくさんの品種があることがバラ産業の活力で、特定の花屋さんがこだわる品種はとても大事です。

「花は見られて飽きられる」は花の宿命です。つねに目新しさを提供し続けねばなりません。万人受け品種とちょっとこだわり品種の両方が必要です。

多くの示唆に富んだRR-1でした。くわしい結果がお知りになりたい方は担当にご連絡下さい。

2009年6月3日水曜日

花屋さんに儲けていただかなければ~RR-1グランプリを開催します~

生産者は、花市場のことを悪代官、花屋は悪徳商人と考えていいます。
貧しい農民から1割の年貢を搾り取る悪代官、農民の汗と涙の結晶である花を安値で買いたたく越後屋。
「越後屋、そちもワルよのう」
「何をおっしゃいます、お代官さまこそ・・・」
「うっひひひ・・・」
チャララ~ン
ひゅっ
必殺仕事人登場。

ちょっと待ってください。
生産者、市場、花屋はかたき同士ではありません。ともに「花産業丸」に乗っている一蓮托生の仲間です。
生産者が作った花を売る、使う、のは花屋さんです。花がよく売れて、花屋さんが儲かってこそ、また次ぎに仕入れていただけるのです。
生産者を川上(かわかみ)、花屋さんを川下(かわしも)に例えられますが、川上から川下まで、川幅が広く、大量の水が流れてこそ生産者が儲かるのです。
今、生産者が苦しいのは川上から大量の水が流れでているのに、川下の川幅が狭まり、流れが悪くなっているからです。市場は川中のダムで、川上、川下の水量を調整するとともに、川幅をも広げようとしています。
生産者-市場-花店が一体となって、川幅を広げ、水が流れるように具体的なを取り組みをしましょう。

そのひとつが、5月のカーネーション生産100年のイベントでした。花屋さんに、今年は日本でカーネーションが作られるようになって100年の記念の年であるということを知っていただきました。花屋さんはそのことをお客さんに伝え、カーネーションを売っていただきました。同時に、(社)日本花き生産協会カーネーション部会が作った、花を買って帰った後の取扱のパンフレットも配っていただきました。

6月は、今出荷されている40品種のスタンダード赤バラのナンバーワンを選びます。名付けてRR-1グランプリ(レッドローズワングランプリ)です。しかし、なにわ花いちば社員のネーミング能力はこのブログ名も含め、すごいですね。ついに「RR-1」が登場しました。



花屋さんにスタンダード赤バラだけでもこんなに多くの品種があること、そこからお好みの品種を選んでいただき、その思い入れの品種を売っていただく、そんなイベントです。花屋さんがバラにどんなこだわりをもっているか、生産者の方々も目で見て確かめてください。みんなで汗をかきましょう。