2009年10月14日水曜日

「昼まで百合話」Miss YURI verse パネルディスカッション




5月のカーネーション「生産100年」、6月のバラ「RR-1」に引き続いて、10月9日(金)にはオリエンタルユリのプチイベントが開かれました。題して「Miss YURI verse」。説明するまでもありませんが、「ミス・ユニバース」のひっかけです。

あいにくの台風直撃で、前日のセミナーは懇談会に切り替えざるを得ませんでしたが、9日(金)の品種展示、コンテストは盛会に開催することができました。詳細はHPをご覧ください。
10時からのパネルディスカッションは、高知県、新潟県、富山県、愛媛県、大分県、長野県などから70名もが参加いただき、「昼まで百合話」(何のこっちゃ) で盛り上がりました。残念ながら、台風で新潟の生産者の方々のご参加はいただけませんでした。

パネラーをご紹介します。
産地
・JA土佐市高石花卉部 門田賢次氏
・佐賀県 松永花園 松永宏隆氏
花店
・㈱宮本生花 宮本雅行氏
・㈱十三花園 柿本博士氏
・㈱フロリスト・コロナ 上野和人氏
市場
・なにわ花いちば 久保寛史
・ 同        小川兼次

司会は宇田が務めさせて頂きました。テーマは「今のユリに“満足”ですか?」

生産者が満足できないのは、「生産費が上がっているのに市場単価が下がっている」、「1年前から球根を手配しなければならないが、売れ筋商品が見えてこない」です。

花店にはさまざまな業態があり、意見が多様で、消費者ニーズをつかみきれないことが産地の悩みです。場内仲卸の宮本生花さんは葬祭用のシベリアの安定供給、専門店の十三花園さんは巨大輪やねじれた茎などおもしろいユリ、量販店のコロナさんには1束398円の価格が優先されます。産地は高級品、高単価志向であっても、スーパーの束売りが増えている現状では、誰がホームユース用のユリを供給するかが悩ましい問題です。量販店の上野氏からは国内生産者は安売り競争におちいらず、高品質・高単価を目指すべきであるとのアドバイスをいただきましたが・・・。確かに現在高単価をとれる品目はオリエンタルユリ以外にはありません。「高嶺(たかね)の花」であるだけにスーパーでもオリエンタルユリを売りたいのでしょう。

高単価で売っていくためには消費者が品種を選べることが必要です。ところが、オリエンタルユリは生産が特定品種に集中しています。上位3品種シベリア、カサブランカ、ソルボンヌの占有率は57%です(花普及センター調べ)。バラ13%、カーネーション27%、トルコギキョウ15%と比べて特定品種に偏りすぎです。
葬祭にはシベリアさえあればよい、産地は売れる品種を作っている、シベリア、カサブランカ、ソルボンヌで何が悪いなどの意見がありました。市場や専門店は新品種の安定出荷をのぞんでいますが、球根業者は安定供給できれば新品種でないと、新品種について両者で認識が違うことが明らかになりました。また、花屋さん投票の品種コンテスト白花部門で1位になったサンベルナルドは球根生産が中止になったそうです。球根業者にはロットの問題があるようです。種子や苗と違い球根を生産しているのはオランダの「農家」です。そのため、日本の花屋さんや消費者が欲しい品種と球根供給が必ずしも一致しないという問題点があります。ここが育種、球根供給をオランダに全面的に依存しているオリエンタルユリの最大の弱点です。

今、人気の花、ダリア、トルコギキョウ、ラナンキュラス、アジサイはいずれも日本の生産者育種です。オランダにすべてを委ねる花は危険です。ユリは本来、日本原産です。日本で育種をしてこそ日本の消費者に支持されるのです。交配、実生、開花、選抜、球根養成に時間がかかるのは事実です。企業育種としてはリスクが大きいからしないというのもわからないでもありません。そのため生産者育種が必要です。かつて、テッポウユリとタカサゴユリから実生1年で開花する新テッポウユリを作り出した日本の生産者は育種が得意です。
そうでなければ、オリエンタルユリはスーパーの花束や葬祭用になり、専門店からそっぽを向かれます。品種コンテストの花はすばらしいですが、みんな同じ花型草姿です。球根業者、生産者、市場が一体となって新しい品種(タイプ)を消費者に提供していくことが必要でしょう。

会場には、球根業者の横浜植木(株) 折館氏、西尾氏、(株)山喜農園 森山氏、(株)中村農園 中村氏、(株)カド 富田氏、オニングス社 エバート氏、バンザンテン社 ハンス氏、IBC日本コーディネーター レン・オークメイド氏がご参加していただいていました。まさに、ユリ業界のオールスターの顔ぶれです。花産業はキク、バラ、カーネーション、ユリ、鉢物などお役所以上の縦割り組織ですが、ユリ業界の独特の雰囲気、結束の強さが感じられた集会でした。

結局、テーマでは「今のユリに“満足”ですか?」でしたが、司会がまずく、出席者、誰も満足できないまま不完全燃焼で終わったパネルディスカッションでした。しかしながら、このプチイベントは試行錯誤しながら確実に進化しています。次の機会にはさらに掘り下げた議論をしましょう。
なにわ花いちばでは、さらに生産者・花屋さん・消費者に満足していただけるように、新たな仕掛けを試みていきます。

パネラーの皆さま、会場の皆さまおつかれさまでした。












2009年10月10日土曜日

肥沃な大地に決別したコロンビアの花生産に未来があるか

日本のカーネーション生産100年を機に、輸入攻勢に対して反撃に出るべく、(社)日本花き生産協会カーネーション部会では星井会長を先頭に役員、青年部代表がコロンビアの花産業を視察しました。私は記録・報告書作成係として同行しました。といってもJFMA(日本フロラルマーケティング協会)の南米・米国トレンドツアー(2009.9.29~10.6)に参加しただけですが。
1国の花産業をわずか数日の視察で論評することは危険なことですが、私なりにコロンビアの花作りをある程度見切れたと思っています。

1.農業は、「太陽の光」、「気温」、「水」、「土」の4つの自然環境に「人の手」が加わって成り立っています。

2.コロンビアで花が作られている首都ボゴタ周辺は、赤道直下の高地(標高2,500m程度)です。赤道直下ですから光は豊富です。しかも1年中太陽は頭の上を東から西へ移動しています。つまり、太陽を追う植物は直立したまま、茎がまっすぐです。日本は北緯35度ですから、太陽は南に向いた顔の前を通ります。そのため、日本の切り花は茎が弓なりに曲がり、表と裏ができます。これを生かしたのが床の間に飾る生け花です。コロンビアの切り花には表、裏がありません。360度観賞するフラワーデザインに適していますが、趣(おもむき)がないともいえます。月平均気温は毎月14.5℃、つまり1年中大阪の4月の気温です。

3.雨量は1,000mmで、大阪の1,400mmに比べると少ないですが、オランダの765mmよりは多い。

4.土は関東ローム層黒ボクに似ており、水はけがよく、耕土が深く、肥沃そうです。

5.しかし、カーネーション栽培では隔離ベンチ栽培、しかも土の厚さ10cm程度で、日本でいうところの「少量培地耕」です。用土はなんと「もみがらくんたん」(コロンビアにも稲作があるそうです)に、たい肥混入。土は毎作入れ換えです(画像参照)。

図1 もみがらくんたん少量培地耕



図2 少量培地耕定植前



図3 労働者による土出し作業



図4 土とカーネーション株を搬出



6.なぜ肥沃な大地で土耕をしないのでしょうか。7年ぐらい前から「隔離ベンチ栽培」に変わったそうです。それは立ち枯れ性病害の被害から逃れるためです。涼しい国ですので、病原菌はバクテリアのPseudomonasではなく、オランダと同じカビであるFusarium oxysporumでしょう。いわゆる連作障害です。なぜ、短期間で連作障害がでたのでしょうか。私なりに考察してみました。

①生産規模が大きすぎ、コストがかかり、さらに完全消毒は不可能なので土壌消毒ができない。

②各種認証取得が自縛となって土壌消毒を採用できない。

③エコのために、ハウスの屋根に降った雨をハウス周辺の水路に流し、回収している。雨だけなら問題がないが、ハウス土壌からしみでた水まで水路に流れるので病原菌が混入する。病原菌は水を少々殺菌しても退治できない。退治できるほど殺菌すると、強力な殺菌が必要になり、コストがかかるうえ、環境にやさしい認証に反する。

④苗は母株を買い、ロイヤリティを払って増殖をしている。この自園での苗生産の過程で病原菌に汚染。生産規模が大きくなるほど感染の危険性が高まる。

7.さて、コロンビアでの「もみがらくんたん・少量培地耕」は成功するでしょうか。無理です。少量培地耕はとことんやり尽くしたオランダなど先進国の最終一歩手前の農業システムです。気候と土壌に恵まれた発展途上国の農業ではありません。もうすでに行き詰まりつつある兆候が現れています。 立ち枯れ性病害の発生とわずかな土(しかももみがらくんたん)で゙1.5年~2年栽培するため株の衰弱です。

8.ではなぜ、コロンビアの花作りは肥沃な大地を捨て、リスクが高い「もみがらくんたん・少量培地耕」に追い込まれたのでしょうか。しかも1農園だけでなく視察をした全農園すべてがです。

①農耕民族農業と狩猟民族農業の哲学のちがいです。農耕民族である日本の農業は「持続」農業です。先祖伝来の限られた土地を「一所懸命」守り、作物を収穫しつづけます。2,000年間かわらずに稲を作ってきました。狩猟民族農業は「収奪」です。獲れるだけ獲って次の土地へ移動する農業です。

②独立した企業が経営する農園でありながら、なぜ、どの農場も同じ「もみがらくんたん・少量培地耕」なのでしょうか。コロンビアには営業、財務、労務などのスペシャリストはいても栽培のスペシャリストがいないのではないでしょうか。そのため、栽培を機械的にとらえ、ひとつの成功(するらしい)マニュアルがあればすべての農園に適応できると考えたのでしょう。まさしくリーマンブラザーズやGMの破綻で露呈した「ものづくり」軽視です。財務や金融はパソコンの前に座るだけで膨大な仕事ができますが、栽培技術者は自分の目で見られる範囲に限られます。技術者養成に年月がかかります。管理できる面積もわずかです(日本人なら0.5haが限度)。

9.どの農場も同じ栽培システムであることは品質が統一され、コロンビアの強みにはなっています。反対に日本は自立した考える小農の集団ですので、品質の統一が苦手です。

10.コロンビアの花作りの終焉が近いからといって、日本の生産者がハッピーになれるわけではありません。企業家はもっと季候が良く、労賃が安い国へ移って花を作り、輸出をするだけですから。 国内花生産は腰を据え、戦略を打ち立てなければなりません。


では、会長以下、役員、青年部代表がコロンビアの花産業を視察した(社)日本花き生産協会カーネーション部会は、生産200周年の2109年に向け、何をしなければならないか・・・。2009年10月3日(土)深夜(現地時間)、ボゴタのホテルの一室で策を練りました。この日のことは日本カーネーション生産200年史(2109年発刊予定)に記録されるはずです。

その戦略は来年1月のカーネーション大会で報告します。


       (社)日本花き生産協会カーネーション部会 コロンビア調査団

 維新前夜の志士のごとき面構え、決意の眼差しを見よ(ボゴタのホテルの一室にて)

2009年9月9日水曜日

花の消費拡大は選挙運動②イメージ選挙



前回は、花の消費拡大は「どぶ板選挙」で、と述べました。


花業界は、花を買ったことがない6割の世帯に対してさまざまな働きかけをしてきましたが、まったく成果があがっていません。花を買う世帯は20年間、4割のままです。そこで、6割の無党派層はあきらめて、4割の固い支持者をターゲットに具体的な営業活動、どぶ板選挙をしましょうというのが主旨でした。


では、どぶ板選挙で花産業の将来は安泰かというとそうではありません。4割の支持者は高齢化が進んでいます。仏壇のない家庭も増えています。このままではジリ貧になることは間違いがありません。


6割の無党派層に切り込んで、花に対する支持を拡大することを、どぶ板選挙と並行して取り組まなければなりません。


その基盤が整いつつあります。花関連団体が資金を出し合い消費宣伝をする取り組み、いわゆる1/1000構想です。「総論賛成各論反対」で、夢の話でしかなかった構想が現実になりました。


さて、花産業のみんなが出し合った基金でどんな活動をすれば、消費が伸びるのでしょうか。


これまで花産業が消費拡大に何もしなかったわけではありません。花屋さんの花キューピットや生産者の日本切りバラ協会は積極的なイメージ選挙活動を展開してきました。


このたびの総選挙では民主党が政権交代の風を吹かせました。花消費拡大にはどうすれば風を吹かせられるでしょうか。
これまでは、さまざまな縦割り組織が、それぞれで消費拡大活動をしていたため、思うような風を吹かせられませんでした。このたびは花関連団体みんなが参加する横割りの組織が資金を出し合い、消費宣伝をします。
こんどこそ風を吹かせられるでしょう。



2009年8月20日木曜日

花の消費拡大は選挙運動




花が売れない。

花をもっと買っていただくには。

花の消費拡大は、まさに選挙運動です。

消費拡大も選挙にも2つの方法があります(図参照)。

「イメージ選挙」と「どぶ板選挙」です。

統計では、切り花を買ったことがある世帯は4割(鉢物は3割)、買ったことがない世帯が6割(鉢物は7割)です。

花を買ったことがない6割の世帯に、花を買っていただければ一挙に消費が増えます。

この6割の世帯は選挙でいうところの無党派層です。

無党派層に投票していただくためには、イメージ選挙です。前回の郵政解散のように「風」を吹かせれば大きな票を獲得することができます。

しかし、風を吹かせることができなければ、「のれんに腕おし、ぬかに釘」になります。

「イベントで花束を配る」、「ポスターを作る」などはイメージ選挙です。


これまで、花産業はさんざんイメージ選挙で戦ってきました。

その結果はどうでしょうか。どれだけ票を獲得したでしょうか。

「皆無」です。「惨敗」です。

20年、イメージ選挙を戦っても花を買ったことがない世帯は、あいかわらず6割のままです。

そこで、6割の無党派層は手強いと総括できます。


それならば、6割の無党派層はとりあえずは相手にせず、すでに花を買っていただいている4割のお客さまにもっと花を買っていただく活動をしたほうが票は増えるのではないでしょうか。

この4割の方々は、昔からの花の固い支持者です。

さて、この固い支持者に確実に投票所に足を運んで、票を入れていただくためには何が必要でしょうか。1軒1軒路地裏をまわり、一人一人手を握り、名刺をわたす、名前、顔を覚えていただく・・・、どぶ板選挙です。


花業界は、支持者をつなぎ止めておく「どぶ板選挙」をわすれ、雲をつかむような、かっこいいだけの「イメージ選挙」にかまけていませんでしたか。


では、生産者にとっての「どぶ板選挙」とは何でしょうか。

4割の支持者に花を売っている花屋さんの要望を聞くことです。

いつ、どんな品質の、どんな花が欲しいかを聞き、それに基づいた生産をすることです。

また、自分たちに何ができるか、どんな商品を持っているかをお知らせすることです。

その前に、自分たちの支持者は誰か、あるいは自分たちは誰のために働きたいか(花を売りたいか)を決めることです。

国民全体に貢献する・・・、かっこいいけど不可能です。そのために多くの政党(産地)があるのです。


儲からなくなった花産業、抽象的で、ぼんやりしたイメージで選挙をする余裕などありません。すぐに儲けに結びつく具体的な選挙(営業)活動でなければなりません。

花屋さんと産地の仲立ちするのが市場の役割です。
生産者-市場-花屋さん連携による票の掘り起こしが急務です。


「イメージ選挙」は無駄か、そうではありません。

「どぶ板選挙」では当面はしのげても、いずれはじり貧です。


「イメージ選挙」については次回説明します。


2009年8月2日日曜日

(社)日本花き生産協会カーネーション部会星井栄仁会長の受賞と生産協の役割

授賞式での星井ご夫妻、マイクは発起人の岡内正明前カーネーション部会長





(社)日本花き生産協会カーネーション部会星井栄仁会長が黄綬褒章を受章されました。カーネーション生産100周年の年に、全国のカーネーション生産者の代表である星井会長が受賞されたことは、日本の花産業にとって、うれしい出来事です。これで、国産カーネーションの反転攻勢が勢いづきます。



喜びの一方で、(社)日本花き生産協会は花生産者の中央組織としての存在意義が問われています。協会は、都道府県の花き協会単位で加盟する、生産者にとって唯一の全国組織です。この協会から退会する県が出始め、すでに6県に及んでいます。

この状況を、岐阜大学の福井教授は、ご自身のホームページ(http://www1.gifu-u.ac.jp/~fukui/index.htm)で、「日本花き生産協会の危機」としてまとめられています。



福井教授は、協会が求心力を失った原因として・・・

①時代の変化に対応せず、右肩上がりの時代のやり方をズルズルと継続してきた。

②協会の役割である全国組織のメリットを的確に花き生産者に提供することを怠ってきたこと。

と述べられています。



さて、(社)日本花き生産協会7部会のひとつであるカーネーション部会が、全国の生産者に提供する具体的な役割は何でしょうか。


そのひとつは苗価格の問題です。カーネーション部会では、高い苗代とロイヤリティの支払いが経営を苦しめています。この問題を個人や産地で種苗会社と話し合っても取り合ってもらえません。

そこでカーネーション部会は、ヨーロッパの種苗業者から苗を直接、共同購入することを決断しました。1995年10月に、当時の大貫栄一会長を先頭に、役員さんがオランダ、ドイツの種苗会社6社を訪問し、苗の直接購入を交渉しました。交渉ごとに縁のない生産者が、欧州の海千山千の業者相手に交渉をつづけ、なんとかM.レック社と契約することができました。この交渉をサポートしたのが、カーネーション苗には縁がなかった草野産業でした。その後、M.レック社はバルブレ社に買収され、バルブレは日本のキリンに買収され・・・。弱肉強食の企業論理に翻弄はされましたが、生産者に安い苗を供給するという大きな成果をあげることができました。



ロイヤリティの問題は手つかずで残されています。カーネーションのロイヤリティは何が問題か?



①新品種育成者の権利保護は当然である。苗を買うときに、苗代とは別に、育成者にはロイヤリティ(現在は苗1株に8~10円)を払うことには両者、納得している(ロイヤリティの価格は別にして)。

②新品種を育成した権利が認められる前提は、種苗法に基づく「品種登録」の申請、および登録である。

③品種登録して権利が認められる期間は25年であるが、品種登録が失効した後もロイヤリティの支払いが求められている。

④品種登録をしていない品種でもロイヤリティの支払いが求められている。


③④は種苗法と種苗法の「品種改良により農業の発展をはかる」という理念に違反している。

この問題は、個々の生産者、産地では対応できない。まさしく、わが国のカーネーション生産者の中央組織である(社)日本花き生産協会カーネーション部会が、行政の援助を得て、種苗会社と話し合い、解決しなければならないテーマである。そのためには、全国のカーネーション生産者の(社)日本花き生産協会への結集が大前提です。


全国の花生産者のみなさま、汗をかかなければ果実を得ることはできません。



2009年7月1日水曜日

日本列島「ボト」注意報

梅雨真っ盛りは「ボト」の季節です。

「ボト」は、かびの一種ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)を縮めた業界用語です。

病原菌がかびである「ボトリチス・シネレア」菌、病気の名前は「灰色かび病」です。

褐色に変色した花びらや葉から、症状が進むと灰色のかびが生えてきます。

それで灰色かび病と名付けられました。

                   生け花中に発生したバラのボト


                 生け花中に花首に発生したトルコギキョウのボト

                  入荷時にボトが発生していたカーネーション
                     葉にボトが発生したデルフィニウム


このボトリチス・シネレア菌による灰色かび病の特徴は次のとおりです。

1.あらゆる作物のやっかいな病気で、どの花も感染します。

2.食べ物が腐るときに生えてくるかびと同じ仲間です。

3.多湿、特に梅雨や秋の長雨時期の高温多湿が大好きです。

4.夏の高温や乾燥環境では発生しません。

5.他の病気はハウス内や圃場で発生するだけで、生産者が農薬散布など適正な対策をとれば防げますが、ボトリチスは水あげする冷蔵庫内、輸送中、生け花中にも発生します。

出荷時にはきれいでも、花店、消費者の手に渡ってからかびが生えてくることもあります。



次のような対策をしてください。

1.ハウス内の除湿、乾燥。家庭でのエアコンが湿度を下げるように、ヒートポンプによる冷房は湿度を下げ、ボトの発生を抑えます。

2.換気、温風機による送風。

3.もちろんこまめな殺菌剤の散布。

4.5℃程度の冷蔵庫内でもボトは繁殖します。庫内のかべ、吹き出し口などをアルコールで消毒。

5.輸送中にケース内の湿度が高くならないように穴を追加する。この時期だけスリーブを使わない。

6.花に水滴が着いた状態で箱詰めしない。

7.花屋さんのキーパー、冷蔵庫にもボトリチス菌が蔓延しています。

8.店先ではおけに花を詰め込みすぎないように。

2009年6月29日月曜日

「近藤でございます」の近藤さんとニューヨークでご活躍のデザイナー立川亜矢子さん


左:「近藤でございます」の近藤和博さん、中央:立川亜矢子さん、右:しまらない赤い顔の宇田

横浜植木(株)第16回花の展示・検討会(2009.6.19) 

 このブログを開設するときに、目標としたのは京都生花の名物ブログ「近藤でございます」でした。その近藤和博さんにようやくお会いすることができました。横浜植木(株)の第16回花の展示・検討会(2009年6月19日)においてです。私のつたない講演と大田花き 藤田章治さんとのパネルディスカッションの後のお楽しみ 懇親会の席で楽しくビールを酌み交わし、意気投合しました。そのときお隣の席におられたのがフラワーデザイナーの立川亜矢子さんでした。

 近藤さんは京都生花の営業部長で、業界では有名な方です。洒脱な文章と、的確な写真は多くのファンを魅了しています。翌日の6月20日にはこのときの様子が京都生花HPに公開されていました。京都生花は仕事が速い! 当ブログとあわせてご覧いただくと、横浜植木自慢の豪華絢爛オリエンタルユリ、LAユリの展示・検討会がよくわかります。

 立川亜矢子さんは大阪府交野市にお住まいで、ニューヨークでご活躍の国際フラワーデザイナーです。うれしいことに、立川さんが川お使いの花は、なにわ花いちばでお買いあげいただいています。

立川さんの業績のひとつが花卉園芸新聞2009年6月15日号でカラー写真入りで紹介されています。「トップデザイナー競演 NYで豪華FD展 立川亜矢子氏が力作」日本産ユリを主役の作品です。


下の画像は立川さんの著書「世界が私の花舞台」カナリア書房です。掲載の写真もご自分で撮影されたそうです。本の帯にあるように、まさしく「彼女のパワフルな生き方に続け!」です。




  出会いの場を設定していただいた横浜植木(株)の渡邊社長さんに感謝いたします。

 さて、私の講演の内容を簡単に紹介すると下記の通りです。 いつもどおり、賛否うずまくおさわがせの内容です。

 「お客さまが誰かを知ろう」

1.今、儲けるために
 花産業は縮小し続けている。未来を語ることが崇高で、目先の儲けを追求することは卑しいことではない。今が儲からないと花産業に明日はない。今を儲け、明日につなげるためには何をすべきか。
(1)花産業の常識を疑おう
①業務用需要が減ってホームユースが本当に伸びているのか?
ホームユースは伸びてはいない。「高嶺の花」、「憧れの花」である花の価値を失っては消費は伸びない
②何でもオランダが手本か?
地域に土着した日本的家族経営が日本の進むべき道である
③生産者は生産物の値段を自分で決められないのか?
オンリーワン、あるいは圧倒的な販売力を誇る花、信頼されている産地、生産者ならば希望価格で売ることができる(はず)
(2)花の消費者は誰?
①花の消費者は花屋さん
花の消費者は繁華街を歩いている人ではなく、花屋さん
②花屋さんに儲けていただかねば
生産者が儲かるためには花屋さんに儲けていただき、モノの流れをよくしなければならない
③花屋さんが欲しい花を欲しい時期に
花屋さんがなにをのぞんでいるかを知ろう
④花屋さんが買いやすいように売りやすいように
花はイメージ。花屋さんがイメージを売りやすいような品質、品種、付加価値、情報を提供しよう。

花屋さんはお客さま(エンドユーザー)に正しい品種名、産地名、取扱方法などの情報を説明しよう。
⑤花屋さんに対する具体的な営業活動
種苗会社-生産者-市場-花店の連携による具体的な企画商品としての花を売っていこう
2.ユリはどう儲けるのか
(1)景気さえ回復すれば・・・
今まではそれでやってこれたが・・・
(2)花は見られて飽きられる
個人出荷の生産者は率先して目新しさ、珍しさを提供しよう
(3)ユリの育種力ゼロ
育種なくして活力なし。育種は楽しみ、宝くじ、生産者育種にチャレンジしよう。
(4)品種の囲い込み
クセがある新品種を特定の個人、産地および市場に限定し、希少品としての価値を保持しよう
(5)生産者のDNAには高品質高単価しかない
オリエンタルユリは「憧れ」「夢」を売る花である。安売りは似合わない。
(6)花屋さんにはいろんなタイプがある
生産者としては「憧れ」「夢」を提供することが本来の役目であるが、ユリをホームユースとして売りたい花屋さんもある
(7)ホームユース生産には最高級の経営・栽培技術がいる
ホームユース生産には経営力と強い意志がいる
(8)営業なくしてホームユースなし
ユリのホームユースでの品質目標、10アール当たり販売量、希望単価、そのための栽培技術を明確に
3.花作りは農業である
花作りは農業で、地域の環境、気候に左右される。
地域環境にあった日本的家族経営をめざそう。
農業は金儲けだけの産業でもない。
花作りは地方、農村を護る最後の砦でもある。