2010年9月21日火曜日

反省なき業界 その2

小ギクのことならこの人たちに聞け
左:奈良県農業総合センター普及研修部 有馬 毅係長
右:同 研究開発部 仲 照史総括研究員

麦わら帽子にタオル、これぞ日本の技術者



お盆にキクがない、彼岸にもない。

毎年、似たようなことが繰り返されています。

それにもかかわらず、反省がみられない花業界。


①毎日毎日が勝負で、反省する余裕がない。すんだことは忘れて、また明日。

②平時よりも乱世を好む体質。勝った負けた、取った取られた・・・が、大好き。待ってましたの異常気象。業界みんながイキイキ。

③長い経験で、来年のことが見えている。来年は天候がよいうえに、生産者みんなが少しずつ植え付けを増やす。お盆にはキクがあふれる。「こんなにキク作ってどないするんや!」

④「ないない」と言われるときが華。



このような繰り返しで過ごせたのも、産地が国内だけの時代。


今や産地は世界に広がっています。

当てにならない国産より、納期を守る輸入品。


さて、いつものように来年のお天気に期待するのか?


小ギク生産者のみなさま、もう少し、花が咲く時期をコントロールしませんか。

技術はあるのですから。


露地(ろじ)の小ギク生産であっても電照は必要でしょう。


専門的な話になりますが、お盆のキクは、電照どんぴしゃの秋ギクではなく、夏秋(かしゅう)ギクです。
電照が効く品種と効かない品種があります。さらに、電照は、花芽分化(はなめぶんか)をさせないのではなく、遅らせるだけです。ですから、いつ電照を止めるかがミソです。
顕微鏡で花芽を観察して、電照打ち切り時期を決めます。その作業は、地元の技術者に助けてもらいましょう。

これだけ多くの花の技術者、研究者がいるのは、世界で日本だけです。


「露地の花はお天気任せ」は、もう通用しません。


産地のみなさま、
もう少し、
工夫をしませんか。

2010年9月7日火曜日

大阪の熱い夜~ブルームネットさん・PCガーベラさんとの勉強会~



8月25日 カラー勉強会







9月1日ガーベラ勉強会





花屋さんとの勉強会、8月のゲストは、千葉県君津市のカラー生産者ブルームネットさん、9月は静岡県浜松市のPCガーベラさんでした。その内容は、「なにわ花にっき」で、リアルタイムでお知らせしたとおりです。

ブルームネットHP http://www.bloom-net-calla.com/

PCガーベラHP http://www.ne.jp/asahi/pcgerbera/hp/top/ でもご覧いただけます。

まさに、夜8時から深夜まで、熱い勉強会でした。






大阪の熱い夜をさらに熱くしたのが、ブルームネットさんとPCさんの花屋さんに伝えたい「熱き想い」でした。


両グループともに、「環境にやさいい生産・流通の国際認証であるMPS」を取得し、さらにブルームさんは「7日間の日持ち保証」、PCさんは「採花日表示」に取り組んでおられます。まさに最先端を行く生産者たちです。これからの花産業に、激震をもたらす生産者グループで、要注目です。


取り組みのひとつであるMPSについては、残念ながら花屋さんと議論を深めることができませんでした。なぜなら、花屋さんはエコファーマーやMPSについてなにも知らされていないからです。花屋さんを対象にしたMPSもあるのですが、まだまだ認知度は低いようです。

エコファーマー、MPSの課題は、花屋さんに知っていただくことです。

産地では、エコファーマーやMPS以外にも、朝採り、日持ち保証、採花日表示、咲き切り保証・・・、そして花育、いろいろな取り組みが進行中です。


それら取り組みの最終目標は、国産の花の消費を拡大し、それぞれが利益を得ることです。

産地での熱い取り組みを、どのように活用するのか。

1.花市場は、朝採り、日持ち保証、採花日表示などの産地での取り組み情報、こだわり情報を、web販売やせり電光掲示板の備考欄などで花屋さんに伝える。

2.産地にとって、採花日を表示することには、何の問題もありません。採花日表示があたりまえになってくると、花の流通、市場のあり方そのものが変わっていかざるをえません。産地→市場→花屋→消費者の時間をいかに短くするか、が課題になります。あいまいであった「花の鮮度」とは、「収穫してから消費者に届くまでの時間が短いこと」と、定義されるようになります。


3.花屋さんは産地情報をポップやチラシ、口頭でお客さまに伝える。さらに、日持ち保証したカラー、採花日表示をしたガーベラを、どのように活用して、売り上げ増に結びつけるか、ボールは花屋さんサイドにあります。


4.忘れてならないことは、さまざまな情報は、花屋さんに支持されるモノ=花があることが大前提です。生産者は花をつくってこそ生産者です。

ブルームネットさん、PCさんが大阪の花屋さんから熱烈に支持されるのは、その花の品質の高さゆえです。