2009年6月29日月曜日

「近藤でございます」の近藤さんとニューヨークでご活躍のデザイナー立川亜矢子さん


左:「近藤でございます」の近藤和博さん、中央:立川亜矢子さん、右:しまらない赤い顔の宇田

横浜植木(株)第16回花の展示・検討会(2009.6.19) 

 このブログを開設するときに、目標としたのは京都生花の名物ブログ「近藤でございます」でした。その近藤和博さんにようやくお会いすることができました。横浜植木(株)の第16回花の展示・検討会(2009年6月19日)においてです。私のつたない講演と大田花き 藤田章治さんとのパネルディスカッションの後のお楽しみ 懇親会の席で楽しくビールを酌み交わし、意気投合しました。そのときお隣の席におられたのがフラワーデザイナーの立川亜矢子さんでした。

 近藤さんは京都生花の営業部長で、業界では有名な方です。洒脱な文章と、的確な写真は多くのファンを魅了しています。翌日の6月20日にはこのときの様子が京都生花HPに公開されていました。京都生花は仕事が速い! 当ブログとあわせてご覧いただくと、横浜植木自慢の豪華絢爛オリエンタルユリ、LAユリの展示・検討会がよくわかります。

 立川亜矢子さんは大阪府交野市にお住まいで、ニューヨークでご活躍の国際フラワーデザイナーです。うれしいことに、立川さんが川お使いの花は、なにわ花いちばでお買いあげいただいています。

立川さんの業績のひとつが花卉園芸新聞2009年6月15日号でカラー写真入りで紹介されています。「トップデザイナー競演 NYで豪華FD展 立川亜矢子氏が力作」日本産ユリを主役の作品です。


下の画像は立川さんの著書「世界が私の花舞台」カナリア書房です。掲載の写真もご自分で撮影されたそうです。本の帯にあるように、まさしく「彼女のパワフルな生き方に続け!」です。




  出会いの場を設定していただいた横浜植木(株)の渡邊社長さんに感謝いたします。

 さて、私の講演の内容を簡単に紹介すると下記の通りです。 いつもどおり、賛否うずまくおさわがせの内容です。

 「お客さまが誰かを知ろう」

1.今、儲けるために
 花産業は縮小し続けている。未来を語ることが崇高で、目先の儲けを追求することは卑しいことではない。今が儲からないと花産業に明日はない。今を儲け、明日につなげるためには何をすべきか。
(1)花産業の常識を疑おう
①業務用需要が減ってホームユースが本当に伸びているのか?
ホームユースは伸びてはいない。「高嶺の花」、「憧れの花」である花の価値を失っては消費は伸びない
②何でもオランダが手本か?
地域に土着した日本的家族経営が日本の進むべき道である
③生産者は生産物の値段を自分で決められないのか?
オンリーワン、あるいは圧倒的な販売力を誇る花、信頼されている産地、生産者ならば希望価格で売ることができる(はず)
(2)花の消費者は誰?
①花の消費者は花屋さん
花の消費者は繁華街を歩いている人ではなく、花屋さん
②花屋さんに儲けていただかねば
生産者が儲かるためには花屋さんに儲けていただき、モノの流れをよくしなければならない
③花屋さんが欲しい花を欲しい時期に
花屋さんがなにをのぞんでいるかを知ろう
④花屋さんが買いやすいように売りやすいように
花はイメージ。花屋さんがイメージを売りやすいような品質、品種、付加価値、情報を提供しよう。

花屋さんはお客さま(エンドユーザー)に正しい品種名、産地名、取扱方法などの情報を説明しよう。
⑤花屋さんに対する具体的な営業活動
種苗会社-生産者-市場-花店の連携による具体的な企画商品としての花を売っていこう
2.ユリはどう儲けるのか
(1)景気さえ回復すれば・・・
今まではそれでやってこれたが・・・
(2)花は見られて飽きられる
個人出荷の生産者は率先して目新しさ、珍しさを提供しよう
(3)ユリの育種力ゼロ
育種なくして活力なし。育種は楽しみ、宝くじ、生産者育種にチャレンジしよう。
(4)品種の囲い込み
クセがある新品種を特定の個人、産地および市場に限定し、希少品としての価値を保持しよう
(5)生産者のDNAには高品質高単価しかない
オリエンタルユリは「憧れ」「夢」を売る花である。安売りは似合わない。
(6)花屋さんにはいろんなタイプがある
生産者としては「憧れ」「夢」を提供することが本来の役目であるが、ユリをホームユースとして売りたい花屋さんもある
(7)ホームユース生産には最高級の経営・栽培技術がいる
ホームユース生産には経営力と強い意志がいる
(8)営業なくしてホームユースなし
ユリのホームユースでの品質目標、10アール当たり販売量、希望単価、そのための栽培技術を明確に
3.花作りは農業である
花作りは農業で、地域の環境、気候に左右される。
地域環境にあった日本的家族経営をめざそう。
農業は金儲けだけの産業でもない。
花作りは地方、農村を護る最後の砦でもある。

2009年6月15日月曜日

花屋さんのこだわり赤バラ品種~RR-1結果~

先にお知らせしたように「赤バラ品種グランプリ、RR-1」が6月8日(月)に開催されました。生産者のみなさま方から自慢の赤バラ47品種を出品していただきました。花屋さんにはせり前、せり後にお気に入り品種に投票していただきました。その様子および投票結果はなにわ花いちばHPでご覧いただけます。

212名の花屋さん(男性166名、女性46名)が選んだお気に入りの赤バラは、1位サムライ2008、2位レッドスター、3位レッドフランスでした。このグランプリからいろんなことがわかります。

1.グランプリの順位は市場への入荷量とはまったく関係がない。スタンダード赤バラでは年間入荷量の46%(6月だけでは60%)がローテローゼですが、グランプリでは10位でした。

2.現在の入荷量は少ないが花屋さんから大きな支持をいただいた品種があります。1位のサムライ2008、2位のレッドフランス、4位のロッソクラシコ、5位のレッドイントゥ-ション、6位のティントです。

3.上位に入賞はしませんでしたが、一人だけの花屋さんが最高点をつけた品種が10品種もありました。つまり、特定の花屋さんから熱烈に支持された品種、その花屋さんこだわりの赤バラです。たくさんの品種があることがバラ産業の活力で、特定の花屋さんがこだわる品種はとても大事です。

「花は見られて飽きられる」は花の宿命です。つねに目新しさを提供し続けねばなりません。万人受け品種とちょっとこだわり品種の両方が必要です。

多くの示唆に富んだRR-1でした。くわしい結果がお知りになりたい方は担当にご連絡下さい。

2009年6月3日水曜日

花屋さんに儲けていただかなければ~RR-1グランプリを開催します~

生産者は、花市場のことを悪代官、花屋は悪徳商人と考えていいます。
貧しい農民から1割の年貢を搾り取る悪代官、農民の汗と涙の結晶である花を安値で買いたたく越後屋。
「越後屋、そちもワルよのう」
「何をおっしゃいます、お代官さまこそ・・・」
「うっひひひ・・・」
チャララ~ン
ひゅっ
必殺仕事人登場。

ちょっと待ってください。
生産者、市場、花屋はかたき同士ではありません。ともに「花産業丸」に乗っている一蓮托生の仲間です。
生産者が作った花を売る、使う、のは花屋さんです。花がよく売れて、花屋さんが儲かってこそ、また次ぎに仕入れていただけるのです。
生産者を川上(かわかみ)、花屋さんを川下(かわしも)に例えられますが、川上から川下まで、川幅が広く、大量の水が流れてこそ生産者が儲かるのです。
今、生産者が苦しいのは川上から大量の水が流れでているのに、川下の川幅が狭まり、流れが悪くなっているからです。市場は川中のダムで、川上、川下の水量を調整するとともに、川幅をも広げようとしています。
生産者-市場-花店が一体となって、川幅を広げ、水が流れるように具体的なを取り組みをしましょう。

そのひとつが、5月のカーネーション生産100年のイベントでした。花屋さんに、今年は日本でカーネーションが作られるようになって100年の記念の年であるということを知っていただきました。花屋さんはそのことをお客さんに伝え、カーネーションを売っていただきました。同時に、(社)日本花き生産協会カーネーション部会が作った、花を買って帰った後の取扱のパンフレットも配っていただきました。

6月は、今出荷されている40品種のスタンダード赤バラのナンバーワンを選びます。名付けてRR-1グランプリ(レッドローズワングランプリ)です。しかし、なにわ花いちば社員のネーミング能力はこのブログ名も含め、すごいですね。ついに「RR-1」が登場しました。



花屋さんにスタンダード赤バラだけでもこんなに多くの品種があること、そこからお好みの品種を選んでいただき、その思い入れの品種を売っていただく、そんなイベントです。花屋さんがバラにどんなこだわりをもっているか、生産者の方々も目で見て確かめてください。みんなで汗をかきましょう。