毎日、何かの「○○の日」があるようです。
なにわ花いちばのHPでお知らせしているように、「4月18日はガーベラ記念日」(社団法人日本花き生産協会日本ガーベラ生産者機構)だそうです。「418」を「よいはな」にかけたそうです。「よいはな」なら、ガーベラに限らず、バラでもユリでも、すべての花の日やないか!、とツッコミは入りそうです。上に示した4・18のポスターをよく見ると下の方に小さな字で、「4月18日は国産ガーベラの誕生を記念して、ガーベラの日に制定」と書かれていました。昨年、場内に掲示されていたポスターには、A4サイズの小さなビラが添えられていました。
それはこのような内容です。
「昭和33年4月に、九州農業試験場研究員であった松川時晴氏がガーベラを交配して、その中から今までにない八重の新しい花が咲いているのを発見。「レインボー」、「クレオパトラ」と命名して、農林省に名称登録を申請し、受理された。このように、わが国で初めてガーベラの新品種が正式に誕生したのが4月18日である。」
なんと、松川さんはガーベラの品種改良までしていたのか!!。
元福岡県の園芸試験場研究員の松川時晴さんは、花の研究者・技術者の大先達、今日の花の栽培技術、品種改良の礎をきずかれた方です。私も公私にわたり、ご指導をいただきました。
そのご活躍は多方面です。
カーネーション生産者には、名品種「希望」、「雪化粧」などの育成者として有名です。
ユリ生産者には、現在でもテッポウユリの代表品種「ひのもと」を名称登録して、促成技術を開発したことで有名です。
輪ギクでは、「秀芳の力」のロゼットを苗冷蔵と温度管理で防いだことで知られています。
また、ユリの頭をなぜると草丈が低くなる、いわゆる「接触わい化生理」を発見しました。
農業高校の花の教科書(農文協)には、松川さんのエピソードが載っています。
「テッポウユリの球根につくネダニの防除に苦慮していた松川時晴は、昭和38年に、球根を45℃のお湯につけるとネダニが死ぬことを発見した。松川の観察眼はするどい。お湯につけた球根は、発芽が早くなり、生育が旺盛で、 病気も少なくなり、花が早く咲くことに気がついた。この温湯消毒技術はまたたくまに全国に広がった。」(執筆者は私ですが)
大阪府立大学を卒業した松川さんは、戦後の混乱が続く昭和26年、国立九州農業試験場に着任、輸出用テッポウユリ、ガーベラの品種改良を担当した。昭和33年には福岡県立農業試験場へ移り、昭和62年に退職するまで、花の研究一筋ですごされました。この間、先に述べたように数々の成果をあげ、花産業の隆盛に大きな貢献をされました。
日本有数の花産地、和歌山県御坊市の柏木征夫市長は、元は福岡県農業試験場の研究員で、松川さんの部下であった方です。
ごく一部の人しか知らなかった松川時晴さんの功績を忘れずに、4月18日をガーベラ記念日に制定されたガーベラ生産者機構のみなさま、ありがとうございます。
4月18日は、まさしくガーベラ記念日です。
もちろん、なにわ花いちばでも、ガーベラ記念日を盛り上げるべく、ガーベラの展示をしています。担当は、営業推進部の紅一点、船越友美です。