写真1 夜、黄色の蛍光灯をつけて夜盗虫(ヨトウムシ)の被害を減らす
化学農薬の使用量を減らし、排出炭酸ガスを減らす、環境にやさしい花を作り、安心安全な花を提供することは、生産者だけでなく、市場、花屋さん、誰もがめざすところです。
農薬の使用量を減らして、なおかつ花の病気や害虫を減らす、これは簡単なことではありません。
環境にやさしい花だからといって、ダニがついていたり、灰色かび病がでていたのでは誰も買ってくれません。
情熱や熱意、精神力だけで、ダニや病気を退治することはできません。
実現には、科学と技術の裏付けと、勤勉な労働が必要です。
ところが、「作れば売れる時代は終わった」のスローガンが一人歩きをし、モノ作りの原点が忘れられています。「売る技術」優先で、「つくる技術」が軽視されています。
「作れば売れる時代は終わった」の前提は、「どんなに品質が良くても」です。
日本はモノづくりで生きていく国です。モノづくりにゴールはありません。
日々、改善、進歩、向上です。
それにもかかわらず「環境にやさしい」スローガンだけが元気よく、それを実現する「技術と勤勉な労働」が、軽視されています。
ハウス内の湿度、温度、光環境の改善、防虫ネット、天敵、光防除、病気に強い花づくり・・・、科学の支援なしには実現できません。
日本では、農業の研究開発、技術指導は、農協と国、自治体がほぼ独占しています。つまり、税金で運営されていますので、無料でこれらのサービスを受けることができます。
環境にやさしい花づくりの実現は、花農家の身の回りにいる農協や自治体の指導員さんとの連携と栽培履歴の記帳からはじまります。