NaniwaFEX2009(2月13~14日)にご参加ありがとうございました。
両日の午前中には前回お知らせしたように、生産者のみなさまむけのセミナーを開きました。
テーマ
“切り花の寿命を縮める5つの要因と対策”
5つの要因
1 エチレン
エチレン(C2H4)はポリエチレンやプラスチックなど石油製品の原料ですが、植物には老化を早める働きがあります。①植物体内で作られるエチレン
植物の老化ホルモンであるエチレンは、植物の体内でアミノ酸の一種であるメチオニンから作られます。②空気中のエチレン
車の排気ガス、石油ストーブの排ガス、タバコの煙にはエチレンが含まれています。2 バクテリア(細菌)による水あげ不良
バクテリアが水を吸い上げる管である道管(どうかん)を詰まらせると切り花は萎れます。
3 高温による消耗
高温ほど切り花の呼吸量が多くなり、体内の栄養分を消耗してしまいます。4 空気中のかび(ボトリチス)
湿度が高いと花びら、葉に、かびの種類であるボトリチスが付着し、斑点がつき、褐変します。
5 生け花環境の不良
①高温②乾燥③直射日光
④連続照明⑤風
⑥空気中のエチレン切り花は夜(暗黒)に眠り、疲れ(萎れ)を回復します。つねに照明が当たっている場所では萎れを回復する時間が少ないので日持ちが短くなります。
6 対策
●後処理剤(クリザール、美咲、美ターナルなど)を使いましょう。●「後処理剤に勝る日持ち延長技術なし」です。
●市販の後処理の成分は、抗菌剤+砂糖+界面活性剤です。●抗菌剤:花びん、バケットの水のバクテリア(細菌)の増殖を抑え、水の腐敗を防ぎます。
●砂糖:切り花の栄養分です。つぼみが完全に開き、花が大きく、花色が鮮やかになります。
●界面活性剤:洗剤の成分で、水あげが良くなります。
後処理剤を使うと花びんの水が腐るのを防ぎますので、水換えが不要になり、日持ちが延びます。花屋さん自身が後処理剤を使うだけでなく、消費者にも後処理剤を薦めましょう。